2021.02.22

照明専門店を舞台にストーリーが展開する
NHKドラマ「ハルカの光」。
美しい世界の名作照明が堪能できます

2月8日から毎週月曜日、19:25~19:50、NHK Eテレで放送されているドラマ「ハルカの光」は、世界の名作照明が並ぶ照明専門店が舞台。ドラマを楽しみながら、普段はあまり見られない美しい名作照明が堪能できる、インテリア好きにはたまらない、魅力的な番組です。

 黒島結菜さんが扮する主人公・ハルカは名作照明を集めた専門店で、ある光に出会い、
心を奪われ、ここで店番として働くようになります。「1日じゅう、光のことを考えていたい!」。恋愛より照明が大切、そこまで照明にのめり込んだハルカが、照明の魅力をお店を訪れる人々に伝え、悩み多き人々にピッタリの照明を見繕う過程で、人々の人生に次々と「光」がもたらされていきます。と当時に、2011年の東日本大震災を経験し、心に傷を追っていたハルカ自身も数々の出会いを通して、希望の光を見出していく、そんなストーリー。毎回ひとつの照明にスポットライトをあて、その照明の魅力が紹介されています。

 2月8日に放送された第1話は、フィンランドの照明メーカー・アルテックの「A330S
ペンダントゴールデンベル」を中心にしたストーリーが展開されました。「ゴールデンベル」
は20世紀の北欧を代表する建築家、デザイナーのアルヴァ・アアルトが、1937年にヘルシンキ中心街にある老舗レストラン「ラヴィントラ・サヴォイ」のためにデザインした照明。
もちろん、今もこの人気レストランで現役です。1度は廃番になりましたが、2007年にアルテックから復刻されました。
「ゴールデンベル」という名が示すように、鐘のような美しさと滑らかなシルエットが特徴。発売当時から人気が高く、世界的にも評価されていたとか。過度な装飾がないので、どんな空間にも馴染み、幅広いシーンで使えそう。シェード部分の内側は白色で塗装されていて、内部の光が反射される構造に。だから、優しく柔らかい光が広がり、温かみのある空間を演出します。また、縁のスリットから光がもれることで、照明全体が優しい印象に。光を消しても、鐘型のフォルムは際立ち、空間のアクセントとして美しい照明です。発売当時は
真鍮製だけでしたが、復刻にあたり、クローム、ブラック、ホワイトもつくられ、空間や好みに合わせて選べるようになりました。番組のなかでハルカは、広い面積を照らす照明ではないのに、“人が集まる光を放つ”と、その魅力を伝えています。
2月15日に放送された第2話は、打って変わり、かわいいハートの形をしたテーブルランプを中心にストーリーが展開しました。“心からの贈り物”という意味をもつ「One From The Heart」というこのランプを気にいった二人の男性客は結婚記念の買い物、だと言う(ちょっと意味深の結婚なのだが)。この照明のデザイナーは、“光の魔術師”あるいは“光の詩人”の異名をもつ照明デザインの巨匠、ドイツのインゴ・マウラー。マウラーはこれを友人の結婚式へのプレゼントとして考えた出したというから、まさに結婚記念の照明にぴったり。

「One From The Heart」は赤いハートから光が放たれると、上部に付いているハート型ミラーに反射して、優しい光を拡散。天井やフロアにもハートの陰影が映し出される、とてもユニークなデザインなランプです。ハート型ミラーは向きを変えることができ、光の反射をいろいろな角度に変えて楽しむこともできます。そのうえ、タッチでON、OFFが切り替えられるタッチセンサー付き、と機能性もばっちり。まさにマウラーならではの照明です。光をつけなくても、おしゃれなオブジェとして存在感大。きっとお部屋の名脇役として活躍するでしょう。

 さて、第1話は美しいペンダント照明、第2話はユニークなテーブルランプでした。2月22日に放送される第3話では、ハルカはどんな照明を見繕って、紹介してくれるでしょう?
見逃せませんね。