2021.06.14
「コム デ ギャルソン」の川久保玲さんデザインの
ブリキのイスの展示会。久しぶりにすてきなアートを
鑑賞して、エネルギーをもらいました。いいものを
見ると気持ちが豊かになります

私のワードローブの半分くらいが、プレタポルテブランド「コム デ ギャルソン」のものかな? というくらい私は「コムデギャルソン」が大好き。以前、表参道に事務所があったときは、構想が思うように浮かばない、原稿がどうにも進まない・・・そんなときは、よく事務所を抜け出して「コム デ ギャルソン」のお店に行きました。もちろん、いつもお買いものをするわけではありません。ただ、見に行くだけのこのほうが多かったけれど、このお店に行くと不思議に元気がもらえました。そして、今の仕事が終わったら、このTシャーツを買おう、あのスカートをゲットしよう・・・と楽しみを見つけて、事務所に戻り、再び机に向かったものでした。
その「コム デ ギャルソン」の創設者であり、ファッションデザイナーの川久保玲さんがデザインしたイスの展示会が目黒・青葉台のギャラリーで開かれている、というので6月初めの日曜日に見に行ってきました。
ファッションデザイナーの川久保さんは、1983年頃から約10年間ほど、家具をデザインした時期があったそう。ちょうど1981年にパリで開いた最初のショー「pirates」で旋風を巻き起こした2年後。自身初のブティックをオープンさせるタイミングで、イメージする家具が見つからず、空間設計の延長として自身でイスやテーブルをデザインし始めたらしい。もともとスタイリストだった川久保さんが撮影のためにイメージする服が見つからず、自ら服をデザインして用意したことが「コム デ ギャルソン」というブランドを始動させるきっかけだったというエピソードをもつ川久保さん。それを踏まえると家具の制作もごく自然な動機で始まったのではないでしょうか。
その「コム デ ギャルソン」の創設者であり、ファッションデザイナーの川久保玲さんがデザインしたイスの展示会が目黒・青葉台のギャラリーで開かれている、というので6月初めの日曜日に見に行ってきました。
ファッションデザイナーの川久保さんは、1983年頃から約10年間ほど、家具をデザインした時期があったそう。ちょうど1981年にパリで開いた最初のショー「pirates」で旋風を巻き起こした2年後。自身初のブティックをオープンさせるタイミングで、イメージする家具が見つからず、空間設計の延長として自身でイスやテーブルをデザインし始めたらしい。もともとスタイリストだった川久保さんが撮影のためにイメージする服が見つからず、自ら服をデザインして用意したことが「コム デ ギャルソン」というブランドを始動させるきっかけだったというエピソードをもつ川久保さん。それを踏まえると家具の制作もごく自然な動機で始まったのではないでしょうか。

その10年間に川久保さんが発表した家具が40点ほど。でも、その既成概念にとらわれないデザインは、服と同じで、空間を一変させるアートピースとしての存在感も備えていた。その証拠にプロダクトとしての高い評価を得ており、パリ装飾美術館をはじめとする世界各国の美術館にパーマネントコレクションとして収蔵されているそう。今回。青葉台のギャラリー「LICHT」では、非売品である3脚のイスを展示。ある個人の方の所有品で、一般的には見ることができない貴重なイスだそうです。
ギャラリーのコーナーに、点、点、点・・・と三角形に置かれていた3つのイス。いずれも、スズをメッキした薄鉄板―ブリキでつくられていました。「私の場合、家具をつくるのは創作意欲がわいたときだけです。一瞬のひらめきでいいな、と感じた素材や形を取り入れる、それがすべてですね」(ELLE DECO SOECIAL ISSUE 1992「椅子の本」の川久保インタビューより)ということですから、ブリキがよほど、川久保さんの琴線にふれたのでしょう。3点のうち2点のイスは座面が深いブルーにペイント。背もたれには、溶接しているところをのぞみ込むような四角い穴が空いていました。ブリキのイスというとおもちゃを連想していまいがちですが、川久保さんのブリキのイスは特異なフォルムでしっかりアートしていました。
川久保さんのイスを見にくるなら「コムデ ギャルソン」の服を着てくればよかったと、イス見ながら後悔しました。私が持っている、あのワンピースであのイスに座ればオシャレかな? あのシャツとパンツで三角のイスに腰掛ければ絵になる・・・などと想像しながら、しばらく連想の時間を楽しみました。じっくり拝見して外にでたら、降っていた雨も上がっていました。やっぱりアートは楽しい。いいものを見るって、気持ちが豊かになる。目黒川沿いを歩きながら、日常からちょっと離れた時間をもてたことを感謝。明日に向かって、新しいエネルギーがわいてきました。
ギャラリーのコーナーに、点、点、点・・・と三角形に置かれていた3つのイス。いずれも、スズをメッキした薄鉄板―ブリキでつくられていました。「私の場合、家具をつくるのは創作意欲がわいたときだけです。一瞬のひらめきでいいな、と感じた素材や形を取り入れる、それがすべてですね」(ELLE DECO SOECIAL ISSUE 1992「椅子の本」の川久保インタビューより)ということですから、ブリキがよほど、川久保さんの琴線にふれたのでしょう。3点のうち2点のイスは座面が深いブルーにペイント。背もたれには、溶接しているところをのぞみ込むような四角い穴が空いていました。ブリキのイスというとおもちゃを連想していまいがちですが、川久保さんのブリキのイスは特異なフォルムでしっかりアートしていました。
川久保さんのイスを見にくるなら「コムデ ギャルソン」の服を着てくればよかったと、イス見ながら後悔しました。私が持っている、あのワンピースであのイスに座ればオシャレかな? あのシャツとパンツで三角のイスに腰掛ければ絵になる・・・などと想像しながら、しばらく連想の時間を楽しみました。じっくり拝見して外にでたら、降っていた雨も上がっていました。やっぱりアートは楽しい。いいものを見るって、気持ちが豊かになる。目黒川沿いを歩きながら、日常からちょっと離れた時間をもてたことを感謝。明日に向かって、新しいエネルギーがわいてきました。
