2021.05.15

黒川紀章さん設計の「中銀カプセルタワービル」。
敷地が売却が決まったというので、なくなる前に
見に行ってきました。メタボリズムの代表的建物、
近未来を感じさせる名建築がなくなるのは残念

数日前、新橋の病院へいった帰りに、銀座8丁目にある「中銀カプセルタワービル」を、ふらりと見に行って来ました。建築家の故黒川紀章さんが設計し、東京の名建築のひとつして知られる建物ですが、4月21日の朝日新聞に、「敷地の売却が決まり、住人の退去が始まっている」という記事が出ていたのを読んで以来気になって、今後どうなるかはわかりませんが、とにかく、もうひと目、見ておきたかったからです。

 1972年(昭和47年)に竣工されたこのビルは、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅。黒川氏の初期の代表作であるとともに、社会の変化に合わせて建築や都市が変わる「メタボリズム」の代表的な作品としても知られます。約10㎡の四角いカプセルに直径130cmの丸い窓。140室はそれぞれの部屋の独立性がとても高く、部屋(カプセル)ごとに交換することもできる設計になっていますが、今に至るまで一度も交換されたことはないそうです。でも、細胞の集合体のような特異な外観は、ユニット製のマンションであることの機能をダイレクトに表現し、そのメタボリズムの設計思想を明確に表現したデザイン性は当時から高く評価されていました。

 ビジネスマンのセカンドハウス&オフィスとして想定されたカプセルの内装は、ベッド、エアコン、冷蔵庫、テレビ、ラジオ、電話、テープレコーダー、収納などがつくり付けで完備されていますが、キッチンや洗濯機置き場はないそう。これは、食事は外で済ませるが前提。洗濯はコンシェルジュ頼むことができたから。

 最近の入居者は、建築家、編集者、映画プロジューサー、DJ、ベンチャー企業の経営者・・・と多彩。自分でためたアルバイト代でマンスリー契約をして寝泊まりしている高校生もいるそう。「空飛ぶ円盤に搭乗している気分。外とは別の時間の流れを感じられ、ここにいるのがとても好き」「どのカプセルも同じ外観で画一的。だからこそ住む人の違いが際立つ。建物への思いもばらばらで多様性があって面白い」(朝日新聞より)。140のカプセル(部屋)には140の物語があるのです。

 「ゆくゆくは世界遺産に」という夢をもっている入居者もいますが、コロナ禍がそんな夢を砕いた、と言います。昨夏に東京五輪が開かれていれば、翌9月に建築の国際学術が開かれ、このビルも紹介されて保存活動の動きが加速する可能性もあったそうだが、地主で大多数の部屋を所有する不動産会社は、さらなる老朽化を懸念し、今年3月に敷地を売却する決議をまとめてしまったそう。新たな入居者はもう受け付けていません。

 首都高で銀座方面に向かうとき、高層ビル群のなかで異彩を放ち、宇宙船のように見え、SFの世界観を醸し出しているこの建物を見ることができなくなるのかと思うと、とても悲しい気持ちになります。黒川紀章さんの作品が東京からひとつなくなるのも残念です。
2021.05.10

シンボルツリーのピラカンサ(トキワサンザシ)が
白い花をたわわにつけ、まるで雪をかぶっているようです。
テイカカズラも満開。こんもりとしてきました

毎年5月に白い花を枝いっぱいにたわわに付ける、わが屋上ガーデンのシンボリツリー・ピラカンサ(和名・常盤山査子/トキワサンザシ)が今年は例年よりやや早く、5月の初めに満開になりました。まるで、雪をかぶっているようでしょ。ガーデンの雰囲気も一挙に軽やかに、涼しげになりました。ピカランサの花言葉は「愛嬌」とのことですが、このようにたくさん咲く白い花姿に由来していると、聞きました。

 ピラカンサはバラ科のトキワサンザシ属で、春はこのように白い花を付け、秋には赤い美しい実がたわわに実って目を楽しませてくれ、常緑の葉は濃緑色で光沢があり、一年を通して鑑賞することができる植物です。しかも特別面倒な手入れをしなくても、よく育つので私は気に入っています。枝にトゲがあるので、作業をするときに気をつけなくてはならない、欠点はそのくらいかしら。うちは単木として育てていますが、土壌を選ばないで、旺盛に生育し、刈り込みにもよく耐えるので、生け垣やトピアリーとして栽培されることも多いようです。盆栽にも使われます。暑さ、寒さどちらにも強く、丈夫です。

 原産地は中国とも、ヨーロッパとも言われますが、日本には明治時代に導入され、花や果実が美しく、管理が楽、ということで広く普及されているとか。うちのピラカンサはもう、10年くらい鎮座しているかしら。ここ数年、刈り込みをしていなく、ガーデンの広さのわりには大きくなりすぎたかな?と感じているので、花が終わったら、刈り込みをして少し小さく整えようかと思っています。今度は秋、赤い実を付けた頃、ご覧にいれますね。
先日ご紹介した小さな白い花、テイカカズラもここ数日の暖かさでどんどん花を開き、こんなにこんもりとしてきました。テラスかと庭を区切っている低いフェンスも見えないくらいです。ジャスミンに似た甘い香りも漂わせています。

  一方で、繁殖性と耐久性がとても強く、侵略性もあるのがこの植物。うちでもどんどん伸びて、トレリスにからませているジャスミンと喧嘩しそうな感じ。このまま放っておくと庭全体に広まってしまいそうな勢いなので、最近、どうしたらいいか考えています。やはり、花が終わったら、思い切って茎を切るしかないかな? いい方法をご存知も方がいらしたら、教えてください。
2021.05.05

GW中にハゴロモジャスミンがほぼ満開になりました。
甘い香りがリビングまで漂ってきます。
テイカカズラも白い小さな花を付け始めました

みなさん、お久しぶりです。ちょっとブログをサボっている間に、屋上ガーデンの植物たちはどんどん成長しています。ピンク色のつぼみを株いっぱいに立ち上げていたジャスミンがひと花、ひと花、開花。純白の5弁花が咲きました。ひとつの花は1〜2cmと小さいのですが、花数が多く、株を覆い尽くすように一斉に開花し、見ごたえ満点です。ガーデンの周囲のトレリスのあちこちにからませましたが、はやり南側が見どころです。まるでそこだけ、雪をかぶったよう。花が咲くと甘い香りがまわりに漂うのもジャスミンの魅力。窓を開けておけば、リビングダイニングにも香ってきます。キアラもこの香りに誘われてか、テラコッタのテラスではしゃいでいました。

うちのジャスミンは、正確に言えば、ハゴロモジャスミン。つぼみのピンク色が赤に近いので、そのなかでも“レッドスター”という品種ではないかと思います。開花した白い花とのコントラストがとても美しく、私はとても気に入っています。モクセイ科ソケイ属の半常緑性つる植物で、原産地は中国南部。暑さには強いけれど、の寒さには弱いと言われていますが、うちではもう10年近く越冬して、毎年、花と香りと楽しませてくれます。冬に葉を落とすこともありますが、春になれば、再び新芽を出して旺盛に生育。植物の強さを感じます。
ハゴロモジャスミンの花言葉は、「誘惑」、「官能的な愛」、「優しさを集めて」などだそう。芳醇な香りを放って魅了することから、このような言葉がつけられたのでしょう。「あなたは私のもの」という花言葉もあるそうで、これはインドでは恋人から贈られたハゴロモジャスミンの花を女性の髪に編み込む風習にちなんだものだそうです。

 私はハゴロモジャスミンはとても好きなのですが、花が終わると、細かい花が茶色く枯れて、放置すると見た目がとてもきたないのが欠点。だから、終わった花はまめに摘み取らなくてはなりません。小さな花がたくさん付いているので、結構大変な作業。これだけが憂鬱です。

 いちばん上の写真でご紹介した開放的な景色。私はこの景色を毎年楽しみにしているのですが、実はこれも今年が最後。何故って、来年はうちの前に12階建ての大きなマンションが建ってしまいます。そしたら、どんな風景になるのか? 想像もできませんが、ちょっと残念です。
ジャスミンの花が散り始めると、咲いてくるのが、上の写真の小さな白い花。最近、名前がやっとわかりました。テイカカズラ(定家葛)といいます。式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、ついに定家葛に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説(能「定家」)に基づいているとか。

 花は房状の花弁が垂れ下がったところにつきます。花弁の基部は筒状で、先端は5裂して広がります。それぞれの裂片は先端が断ち切られて丸まったような三角形で、それぞれにわずかにねじれ、全体としてプロペラ状に。花は初めは白く、次第に淡黄色になります。ちょっとジャズミンに似た香りが漂います。茎を切ると白い乳液がでますが、これは有毒だそうです。テイカカズラもどんどんツルが伸びて、テラスと庭を区切っている低いフェンスを覆うほどになりました。満開になったら、またご覧にいれますね。
2021.04.12

園芸仲間、丹川さんのベランダガーデンを拝見。寄せ植えの
鉢を楽しく飾って、一年じゅう楽しんでいます。土いじりに
癒され、花から元気をもらって、はつらつと暮らしています。

先週の木曜日、お天気がよかったので、お言葉に甘えて、キアラ(私の愛犬)を連れて、丹川フミさんのお宅に遊びにいきました。キアラはほかのお宅にお邪魔するのは初めてで、ちょっと興奮気味。舎人ライナーというモノレールにも初めて乗りました。

 丹川さんは私の園芸仲間、というより頼りになる先生です。植物を植えたり、剪定したりするのがとても上手で、うちの庭に大量に花などを植え込むときに手伝ってもらったり、バラなどの剪定に定期的に来ていただいて、庭を維持。私の強力助っ人です。

 丹川さんは築40年の3LDKのマンションにお住まいで、東に位置するベランダに寄せ植えの鉢を楽しく飾っていました。決して広いスペースではありませんが、リビングダイニングから見えるこのスペースは、花を1年じゅう、絶やさないそう。「寒い冬でも、シクラメンとか葉ボタンとか、探せば必ず花はあります。それらを私なりに組み合わせてコンテナガーデンを楽しんでいます」と丹川さん。

 もともと丹川さんが花を育ててみようと思ったのは、子育て期。フルタイムで働きながら、お子さんを育て、目が回るほど忙しく、毎日ストレスを感じていました。そんなとき、
ふと植物に触れてみようと思い、花や野菜を種から育てたりしたら、気持ちが和らいだ、と言います。「土をさわっていると、不思議と癒されるんです。そして、花摘みをしたり、手入れをしていると、花はどんどん大きく元気になります。その元気を私がもらって、私の心も元気になっていきました」(丹川さん)

 造形的な花はあまり好きでない、という丹川さんのベランダには、珍しい品種はほとんど
ありません。ビオラ、ゼラニウム、ペチュニア、ベコニア・・・といった素朴な花がほとんど。だからくつろぎを感じるのかもしれません。たとえば、上の写真は、赤いストック、白いゼラニウム、赤いベコニアとピンクのマツバギクの寄せ植え。「マツバギクは日が照っているときは開いているけれど、夕方にになると花びらが閉じるんですよ。こういう発見もお花のおもしろいところです」と丹川さん。下の写真は、パステルカラーのペチュニアの寄せ植え。優しい雰囲気です。いちばん下の写真は、ピンクのゼラニウムとビオラの組み合わせ。
寄せ植えをしていると、いろいろな植物の特徴がわかってくるそう。同時に植え込むと、
どちらかが負けてしまい、根腐れをおこしたり、萎んでしまったり・・・。「植物にも相性があるのですね。でも、ちょっと時期をづらして植え込むと大丈夫だったり。長年やっていて、そのへんのカンはつかめてきました。何事も経験ですね」(丹川さん)

 最後に植物の魅力って何ですか? とお聞きすると「私が持っていないものを持っているから」とのお答え。「持っていないものって何ですか?」の質問には、首をかしげて「強さもそのひとつかな」(丹川さん)。ガーデニングをやっていると、私も植物の強さには驚かされることが多々あります。秋に球根を植えるチューリップは、冬の寒さに耐えて、耐えて春に可愛い花を咲かせる、と言います。厳寒の冬には枯れて、もう今年はダメかな?と思わせる木々も春、日が当たり出すと俄然元気になって、新芽が出たり、若葉が眩しくなる・・植物は強いと実感すること度々。(それに比べると、キアラは甘えっ子です)

 花をできるだけ長く生かしたいと、ドライフラワーにも挑戦。そして休日には、花を求めていろいろなところに出かけるという丹川さん。花からたくさん元気をもらって、毎日、笑顔ではつらつとした生活を送っています。
2021.04.09

無印良品・銀座で開かれている「民藝―生活美のかたち展」。
大衆に向けて作られた温もりを宿す実用品のなかに
健全で尋常な美が宿っていることを再確認しました

月曜日はなぜか、医者の渡り鳥の日。この日も午前中は赤坂の整形外科(ヘバーデン結節の治療)、夕方は六本木の歯医者。その間に結構時間が空いたので、無印良品・銀座でやっている「民藝―生活美のかたち展」を見に行きました。

「民藝」は1925年に思想家で美術評論家の柳宗悦(1889~1961年)らが命名した言葉で、民衆のために作られた実用品を意味します。見られるためよりも、用いられるために作られた品。鑑賞用としての雅な逸品でなく、大衆に向けて作られた温もりを宿す実用品のなかに
健全で尋常な美が宿っていることを柳は見出しました。

 そして、「民藝」という新しい美の概念の普及と「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠地として、1936年に東京・目黒区駒場に日本民藝館を開設。柳宗悦の審美眼によって集められた陶磁器、染織品、木漆工品、絵画、金工品、石工品、編組品など、日本をはじめ諸外国の品々約17000点が収蔵され、その特色のあるコレクションは今も高い評価を受けています。

 このなかから、今回は約65点を展示。展示を見ながら、素直に作った道具の形が愛らしいのはなぜかな?これを親しみやすさというのかな?と感じたり・・・。日常の道具は斬新な形をしていても、なんとなく人の身体に沿って柔らかい気がすると思ったり・・・。紙や竹、わらなどの自然物からものを生み出すという概念にエコロジカルを感じたり・・・。植物を素材とした道具や入れものはとても優しく、心ひかれるものがありました。そして、意外だったのは、アニミズムという信仰は民藝にも強く表れている、ということ。
では、なぜ、今回無印良品が民藝展を開いたのでしょう。現在の日本民藝館館長の深澤直人さん(プロダクトデザイナー)はこう言います。「無印良品のことを現代の民藝、あるいは現代の民具だという人がいます。もちろん製作手段の違いはありますが、製品に作者の名を記さないことや装飾をしない無我で誠実なものづくりの姿勢などに、互いの共通点があると思います。しかもそのものたちは静かに用に即した美を放っています。質素で豊かな真の価値を目指して1980年に設立された無印良品は、プロダクトによる民藝運動といえるかもしれません。人々が心の奥底で大切に思っている、平和で何気ない日常の生活に寄り添って行くこと。日本民藝館も無印良品もそのこころは変わらないと思います」

 あなたはどう思いますか? 私は賛成するところもあるし、そうは思わないところもあります。私は無印良品を好きでも、嫌いでもありません。何品かは無印良品のものも持っています。そのなかでいちばん好きなのは、冷蔵庫です。カタチもシンプルで主張しないし、使いやすい。またカンは大きさ違いで持っていて、米びつ代わりに、乾物入れに・・・と重宝しています。

 今回の展示会はこれからの無印良品の道しるべを見出し、確認するためのものだったような気がします。日用品が主張することなく、日々の暮らしのなかに溶け込んでいくような、無印ならではのものづくりを、もう一度再確認して、頑張ってもらいたいと思いました。会場には、銀座たくみや谷中・松野屋の民藝品や益子の濵田窯やイギリスのジョン・リーチの器も販売していました。5月9日まで開催していますので、お近くに行ったら、のぞいてみても損はないでしょう。入場は無料です。
2021.04.01

わが家の屋上ガーデンは、チューリップが満開。
花壇のビオラやアリッサムもふっくらと成長しました。
今日はバジル、ラベンダー・・・ハーブの苗を植えました

わが家の7階の屋上ガーデンは、今週の暖かい日々で大きく成長、色とりどりの楽しいお庭になりつつあります。まず、昨年の秋、プランターに植えたチューリップが寒い冬を乗り越えて、一気に開花。赤、白、黄色、ピンク・・・。一重咲き、八重咲き、フリル状になっているパロット咲き・・・色も形もさまざま。庭の真ん中に並べたら、一気に賑やかなガーデンに。やっぱりチューリップはインパクトがあり、春の訪れを強烈に感じさせてくれます。同じく球根花のムスカリもはにかむように、ブルーと白のかわいい房状の花をつけました。
2月15日のブログでご紹介した写真と比べてみてください。全然違うでしょう?ビオラやノースポール、アリッサムもふっくらとボリュームたっぷりに成長し、豪華な雰囲気に。東南のコーナーを楽しく彩っています。咲き終わった花柄を毎日摘んでいると、どんどんつぼみが開いて大きくなるのを感じるー手間は多少かかりますが、花を育てる楽しみを実感するときです。うつむきかげんに咲くシックなクリスマスローズもいい味を出していますね。クリスマスローズは私が好きな花のひとつ。この時期に咲くのは、オリエンタリス種というそうです。まだ小さいですが、コーナーの奥にパープルのルピナスを2株植えました。ルピナスはマメ科で、花姿はフジに似ていますが、下から上へ咲き上るので、ノボリフジという別名もあります。1メートルくらいの高さに育ったら、ガーデンの効果的なアクセントになるので、上手に育てたいと思っています。
花壇の北側はハーブコーナー。今日は、バジル、イタリアンパセリ、ミント、ラベンダーを植えました。ラベンダーを除くと、お料理に活躍するハーブ。実際、バジルやイタリアンパセリはサラダに、付け合わせに・・・あるととても便利。昨年はバジルがたくさん収穫できてジェノバソースも作りました。紫の花をつけているローズマリーは5〜6年前に1本植えたら、こんなに成長しました。一年じゅう、好きなときに生が使えます。私は肉料理に使うことが多いですね。特に鶏モモ肉の上にのせて、オリーブオイルで浸しマリネにしたおき、焼いて食べるのが好きです。今年も大きく育って欲しいな。

また今日、は南天の木の下がどうしても日陰になってしまうので、日陰でも育ちやすい植物を探して、何種類か植えてみました。黄色い花をつけるアルケミラモーリス、アジュガ、ツボサンゴなど。初めての植物なので、どのように成長するか楽しみです。

そして、ジャスミンも少し白い花が開いてきました。やはり、地球温暖化の影響でしょうか、ここ2〜3年どの花も咲くのが早くなったと感じます。ジャスミンも以前はゴールデンウィークに入るころ咲き始めて、、5月中旬が満開だったのですが、この分だと4月に満開を迎えそう。ジャスミンが満開のうちのガーデンはちょっと自慢なので、その頃またお知らせしますね。爽やかな香りとともに。
2021.03.21

あの「ル・クルーゼ」がペット用食器を
出しているって知っていましたか?
わが娘・キアラのお誕生日に買ってあげました

わが娘“キアラ”、ブログに初登場。犬種はキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのトライカラー。白X黒に少し茶色が入っています。お転婆だけど甘ったれ。天真爛漫なれど寂しがりや。ひとりになるのがいちばん嫌い。だからお留守番大嫌い!でも、かわいい。無条件にかわいい。なぜそんなに可愛いのか? それはきっとなんにでも、ひたむきだからだと思います。遊ぶのも一所懸命。甘ったれるもの一所懸命。しっぽをちぎれるほど振って喜んでくれる。お散歩に行っても一所懸命歩いて、一所懸命匂いを嗅ぎまくって、真面目な顔をしてピッピもポッポもする。私の話も真剣に聞いて、わからないと首をかしげる。おねだりも一所懸命。だから、ついついきいてあげてしまいます。

そんなキアラが、2月5日に5歳に。人間だったら30~35歳、女盛りです。プレゼント、何にしようかな?と探していたとき、ふとしたことから、あのお鍋で有名な「ル・クルーゼ」でペット用食器を出していることを知りました。これだ!とひらめき、早速ネットで検索。

「ル・クルーゼ」は、鋳物ホーロー鍋や食器のまさにパイオニア。1925年からフランスの丹念な製法を守りつつ、常に革新的なアイディアをもとに、高品質な製品をつくり続けています。なんといってもきれいな色は、ル・クルーゼの3つの製造過程から生まれます。まず、最初の作業、研磨作業は、エナメルコーティングがつきやすいように、特殊技術を用いて鋳物表面を均一に研磨。次のベースコートづくりは厚みのコントロールがとても大切で、一層目を850度で焼き付けることがキーポイント。これにより、耐久性、保温性を高めます。そして、2層目のカラーコートは800度で焼き付け。自然由来の原料を使い、特殊な技術で鮮やかな色を再現する技術は、ル・クルーゼの真骨頂。そのうえ衝撃に対する耐性が強く、さらに汚れが落ちやすく、色移り、におい写りも気になりません。
さて、何を買ってあげようかな。ペットボウルもとてもかわいくて惹かれたのですが、昨年買ってあげたばかり。それで、今年はドライフードを保存する「ペットフード・コンテナー」をプレゼントすることにしました。かわいいスクープ付きです。私はル・クルーゼのなかで、色はチェリーレッドがいちばん好き。だから今回もこの色を選びました。ほかに、ホワイト、オレンジ、ナチュナルピンクがあります。本物を見ると、やっぱり深みがあって、落ち着いたステキな赤。エナメルコーティングの高級感もさすが。コンテナーは直径18cm、高さ20cm、2,35L入る、たっぷりした容量で、ふたの密閉度もしっかりしています。これなら湿気の高い東京でも、キアラの大切なフードをドライに保ってくれるでしょう。「これが今年のお誕生日プレゼントよ」とキアラに見せたら、ペロペロなめていました。自分のものだということはわかっているのです。大事に使おうね。ちなみにお値段は8800円でした。
ル・クルーゼのペット用品は、ほかにボールが3種類。ノーマルなペットボールは色は7色(ホワイト、チェリーレッド、オレンジ、ナチュラルピンク、パウダーピンク、イエロー、クールミント)、サイズは3種類(直径11.5cm、14.5cm、18cm)。高台のついたハイスタンド・ぺットボール(7色、直径13cm、高さ12cm)、中〜大型犬用のハイスタンド・ペットボールディープ(6色、直径17.5x14.5cm、高さ19cm)。ワンちゃんが食べやすいとハイスタンドタイプが人気だそう。”Bon appetil!”(召しあがれ)書かれた可愛いランチョンマットもあります。クリスマスプレゼントには、ハイスタンド・ペットボールを買ってあげようかな?
2021.03.13

名作照明店を舞台にした「ハルカの光」も
最終回。ハルカを照明の虜にした照明は?
ご両親の新しい家のために選んだ照明は?

月曜日19:25~19:55、NHKE テレで放送されたドラマ「ハルカの光」は3月8日に最終回を迎えましたが、前週の第4話で、東日本大地震を経験しているハルカが名作照明専門店「エクラ」で働くようになった、ある照明との運命的出会いを語っています。その照明とは、「HERE COMES THE SUN(ヒア・カムズ・ザ・サン)。この照明はフランスの著名な建築家、ベルトラン・バラスが1970年に発表したペンダントライト。1969年に発表されたビートルズのアルバム「アビイ・ロード」の収録曲のタイトルから名付けられたことでも知られています。
バラスがガロンヌ川に沈む夕日にインスパイアされ、デザインしたペンダント照明で、魔法のような幻想的な光を放つアルミ製の球形のシェードは、下方へ十分な光が放されると同時にシェードの中央から関節光が優しく広がります。太陽が昇り、また沈む、そして月が現れる、その一連の幻想的な時間を表現しているかのような照明は、見る人の気分によって、日の出や日中の太陽、さらには、月の光のようにも感じられます。発表されたとき、たちまち話題になりましたが、現在でもフランスの多くの人に愛されているペンダントランプ。

 ハルカは、通りすがりにこの照明を見たとき、漁師のお父さんが漁に出て、帰ってくる漁船の光――陸に近づくにつれて、だんだん大きくなり、お父さん、今日も無事に帰ってきたとホッとする光と重なり、その場を動けなくなった、まさに“運命的な出会い”だったと言っています。そして、「人はいつも光を求めている」という店長さんと意気投合、店番として、ここで働くことに。毎日美しい照明に囲まれて、照明の魅力にどんどん惹かれるとともに、東日本大地震で負った心の傷も光の温かさで、次第に癒やされていきます。

 さて、最終回の第5話。ハルカと店長が、ある名作照明を眺めていると、挙動不審な男が
現れます。その人は、東北から訪ねて来たハルカの父でした。父は震災以来、ギクシャクしていたハルカと母の間を取り戻そうとしていました。そして、思い切って新しい家を建てようと思っていること。そこにハルカの存在を感じられる照明を置きたいと告白します。そしてそれは母の願いでもあると・・・。父の話を聞いて、ハルカが選んだのは、北欧の名作照明、ポール・ヘニングセンデザインのテーブルランプ「PH3/2 Table」でした。
ポール・ヘニングセンは1894年、デンマークの女優アグネス・ヘニングセンを母としてデンマークで誕生。1911年〜14年、フレデリクスのテクニカル・スクールで、その後3年、コペンハーゲンのテクニカル・カレッジで学びました。伝統的な機能主義建築をキャリアのスタートとしましたが、だんだん興味は照明に移っていきます。そして1874年創業のデンマークの照明ブランド、ルイスポールセン社とのコラボレーションは1925年に始まり、1967年に亡くなるまで続きました。彼がパイオニアとして切り開いてきた照明分野の業績―影と光、グレア、光による色の再現、そしてそれら光の特性を人間の福利に結びつけるように利用することーは、今もルイスポールセン社のセオリーの基礎に。それゆえヘニングセンは近代照明の父とも呼ばれています。また、ヘニングセンはジャーナリスト、作家としても活躍しました。

 ポール・ヘニングセンはどうやって光をコントロールすべきか、というテーマに生涯の大半を捧げました。光源を効率よく、かつ効果的に活用するためには、対数螺旋という曲線をもつシェードが最も適していると考え、光の計算とテストを繰り返しました。ハルカが選んだテーブルランプ、PH Tableシリーズは、この対数螺旋という曲線をかたちどったシェードを3枚組み合わせたテーブルランプ。電球のフィラメントを螺旋の起点に置くことで、眩しいグレアが消え、同時にシェードが効率よく光を反射して、柔らかく心地よい光でテーブルを明るくする機能的なデザインです。1972年に発表された「PH3/2 Table」はPHシリーズのなかでも中間的なサイズ。長い年月を経ても愛され続ける名作テーブルランプです。

 機能を追求することで生まれた合理的シェードですが、洗練されたカーブが重なり合うシェードは優雅さもそなえて、光を消しても空間のアクセントとして目を楽しませてくれるデザイン。いろいろなインテリアスタイルの空間にフィットする柔軟性も持ち合わせ、また、小ぶりサイズなので、いくつか並べても圧迫感がなく、美しいインテリアをつくってくれます。こうした点も傑作といわれる理由でしょう。ハルカはご両親の新しい家に、決して主張しずぎず、優しくおさまる北欧のテーブルランプを選んだのでした。

 今回で名作照明店を舞台にした「ハルカの光」は最終回。とても残念です。もっとたくさん美しい照明を見たかった。第2部が放映されることを心から祈っています。また、照明だけでなく、椅子やソファなど家具にも、世界の名作はたくさんあります。なかなか目にすることができないこういう家具や照明。テレビドラマのなかでたくさんの人の目にふれて、よさを感じてもらい、普及すればいいな、と期待&祈念します。
2021.03.08

すべてハンドメイドの1点もの。
かなり妖しのインテリア
「フレデリック・モラル展」

3月初めだというのに、気温が20度近くもありセーターもいらないような一昨日の土曜日、友人と大好きなラグビーを秩父宮ラグビー場に見にいきました。トップリーグ・ヤマハ発動機vsNEC戦。応援していたヤマハが勝ち、五郎丸選手がトライを取り、ご機嫌で表参道まで歩き、久しぶりにトーヨーキッチンのショールームに寄ってみました。と、モダンなキッチンやテーブルが並ぶいつもの風景とは違う雰囲気。何かちょっと妖しげです。

 折も折、ショールームでは、まさに妖しのインテリア「フレデリック・モレル展」が開催されていました。鮮烈や印象と妖しげな個性をもった、フランスのアートブランド「FREDERIQUE MORREEL」。最近注目されている、と聞いたことはありますが、見るのは初めて。ラッキー!とばかりに、小走りにショールームに。

 フレデリック・モレルは、亡くなった祖母のニードルワーク(針仕事)への想いから誕生したそうです。すべてニードルポイント刺繍のハンドメイド。ニードルポイントとは、キャンバスで生地全体をウールの糸で刺繍を施す技法。仕上がりはまるで織物のような印象。
ウールの糸を使用することから、タペストリーとして用いるだけでなく、室内の温度調整の役割も果たす実用性もあるとか。

 モレルはニードルポイント刺繍を施した布を、木の収納家具やベンチ、動物や植物の形にくり抜い木に貼り付けて、独自の世界観をもった作品を作り上げています。作品はすべて
ハンドクラフトで生み出され、世界じゅう探しても同じものは決して存在しない、すべて1点ものです。次世代を担うアートに対する目利きで知られるミラノのギャラリー“ロッサーナ・オルランディ”での展示をきっかけにブレイクし、最近では世界的なアートのイベントであるデザインマイアミの開催時期にマイアミ、その後ニューヨークのエルメスのショーウィンドウを飾るなど、世界に注目されるようになりました。そういえば、作品はエルメスのイメージに近いかもしれない、と感じました。

 どの作品も迫力満点でしたが、私が特に印象強かったのは、毒々しくも美しい色彩を見にまとった動物シリーズたち。忠実に再現された動物のスケールや仕草と、全身を覆う色鮮やかな刺繍のコントラストは迫力があります。目が合うと、話かけたくなるような生き生きとした表情です。

 日本の高度経済成長期は「モノを持つこと」が豊かさの象徴でした。生産効率の高い
大量生産品によって国内の生活水準を高めてきました。住空間も、モノに満たされながらも、どこかで見たような空間を大量に生み出すことになりました。今回のフレデリック・
モレルは、ひとつひとつに溢れ出る生命感は、画一的なインテリアに慣れてしまった私たちには面妖に映るかもしれません。でも、この艶やかな妖しさこそ、これからの豊かさのヒントになるかもしれない、と思いながら、会場を後にしました。
ポール・ヘニングセンは1894年、デンマークの女優アグネス・ヘニングセンを母としてデンマークで誕生。1911年〜14年、フレデリクスのテクニカル・スクールで、その後3年、コペンハーゲンのテクニカル・カレッジで学びました。伝統的な機能主義建築をキャリアのスタートとしましたが、だんだん興味は照明に移っていきます。そして1874年創業のデンマークの照明ブランド、ルイスポールセン社とのコラボレーションは1925年に始まり、1967年に亡くなるまで続きました。彼がパイオニアとして切り開いてきた照明分野の業績―影と光、グレア、光による色の再現、そしてそれら光の特性を人間の福利に結びつけるように利用することーは、今もルイスポールセン社のセオリーの基礎に。それゆえヘニングセンは近代照明の父とも呼ばれています。また、ヘニングセンはジャーナリスト、作家としても活躍しました。

 ポール・ヘニングセンはどうやって光をコントロールすべきか、というテーマに生涯の大半を捧げました。光源を効率よく、かつ効果的に活用するためには、対数螺旋という曲線をもつシェードが最も適していると考え、光の計算とテストを繰り返しました。ハルカが選んだテーブルランプ、PH Tableシリーズは、この対数螺旋という曲線をかたちどったシェードを3枚組み合わせたテーブルランプ。電球のフィラメントを螺旋の起点に置くことで、眩しいグレアが消え、同時にシェードが効率よく光を反射して、柔らかく心地よい光でテーブルを明るくする機能的なデザインです。1972年に発表された「PH3/2 Table」はPHシリーズのなかでも中間的なサイズ。長い年月を経ても愛され続ける名作テーブルランプです。

 機能を追求することで生まれた合理的シェードですが、洗練されたカーブが重なり合うシェードは優雅さもそなえて、光を消しても空間のアクセントとして目を楽しませてくれるデザイン。いろいろなインテリアスタイルの空間にフィットする柔軟性も持ち合わせ、また、小ぶりサイズなので、いくつか並べても圧迫感がなく、美しいインテリアをつくってくれます。こうした点も傑作といわれる理由でしょう。ハルカはご両親の新しい家に、決して主張しずぎず、優しくおさまる北欧のテーブルランプを選んだのでした。

 今回で名作照明店を舞台にした「ハルカの光」は最終回。とても残念です。もっとたくさん美しい照明を見たかった。第2部が放映されることを心から祈っています。また、照明だけでなく、椅子やソファなど家具にも、世界の名作はたくさんあります。なかなか目にすることができないこういう家具や照明。テレビドラマのなかでたくさんの人の目にふれて、よさを感じてもらい、普及すればいいな、と期待&祈念します。
2021.03.07

「ハルカの光」第4話では、私の憧れ、
イタリアの名作照明「アルコランプ」の
開発秘話も聞けて、ワクワクしました

3月1日、19時25分からNHK Eテレで放映された「ハルカの光」4話は、私個人的にとてもワクワクした、特にうれしい番組でした。なぜなら、私が長年憧れている照明がピックアップされたからです。

 第4話は、謎めいた女性がお店を訪れました。その女性は「人はいつも光を求めている」と、この店の店長の口癖をそらんじ、照明を“この子”と呼び、店内の名作照明について熱く
語ったあげく、「私の大切な人が照明に詳しかったわ。その人は光と心中したの。だから私は光を好きではない」と言って帰って行きました。

 その女性が語った照明は、FLOS社を代表する「アルコランプ」。ARCOはイタリア語でアーチという意味。その名のとおり、重厚な大理石のベースからステンレスのポールが華麗なアーチを描く姿はあまりに有名。1962年に発表されて以来、今日でもプロダクトデザインを語るうえで、欠かすことのできない近代照明の名作です。

 デザイナーのアレッキ・カスティリオーニは兄のピエール・ジャコモともにこのランプを開発しました。アレッキは1918年、イタリア・ミラノ生まれ。ミラノ工科大学建築家を卒業後、1944年からピエール・ジャコモとともに建築家・デザイナーとしてのキャリアをスタート。1962年のFLOS社創設時にデザイン部門責任者として兄弟で参画します。新しいテクノロジーと多様な素材を用いて家具や照明、都市計画に至るさまざまな世界で活躍。
FROS社からは「アルコ」の他、「ヴィスコンティア」「タッチア」「トイオ」など、従来の発想にとらわれない斬新な切り口による傑作を多数世に送りだしました。1970年からはミラノ工科大学建築家教授として、若い才能を育てることにも大きく貢献。デザイナーの個性を主張するのではなく、使う人、生活者の視点でモノづくりを続けたアレッキ・カスティリオーニの仕事は世界的に高い評判を受けています。
さて、「アルコランプ」は、どうしたら天井に穴を開けないで光を灯せるか、という発想から開発されたそうです。カスティリオーニ兄弟は街の街頭からインスピレーションを得て、アーチを描くポールを使った照明を思いつき、好きな位置に配置することができるペンダントライトを完成させました。ベースから光源のシェードまでの距離は2m20cm。これはダイニングテーブルの中央にシェードがくるように設置した際に、イスの後ろを人がひとり通れる微妙なバランスになっています。

 また、お部屋を広く照らすフロアライトとしても使え、ソファまわりにあしらっても
すてきなリビングをコーディネートします。シェードには、上方向にも光が広がるように穴が空いていて、幻想的な光空間を演出します。また、2重のシェードは、外側を回転させると光の方向を変えることができ、ライティングの変化を楽しむこともできます。シェードを低い位置にもってくれば、本そ読むときなどの手元灯にも。カッコイイモダンな照明は実は実用性もたくさんもっているのです。

 いつかはこの照明をLDKに置くのが私の夢のひとつです。さて、8日の「ハルカの光」では、どんな照明のお話が展開されるでしょう? 楽しみですね