2021.03.01

スタイリストさんに教えてもらった
椅子の座面の張り替え。
簡単DIYでお部屋の雰囲気も変わります

2月だというのに、春のように暖かくて気持ちのいい日でした。たまたま、井の頭線沿いに用があって出かけたので、しばらくぶりにミヤマカオリさんのお宅にちょっと寄ってみようかな?と思いたち、連絡をして、おしゃべりにお邪魔しました。

 ミヤマさんは、女性誌を中心に活躍するスタイリストさん。ふたりの付き合いは長く、私がレタスクラブに在籍していた頃から、一緒に仕事をしていました。リビングレタスではメインのスタイリストとして、頑張ってくれました。スタイリングだけでなく、手作りやDIYも得意で、私の心強いスタッフでした。

 ダイニングでお茶しながら、おしゃべりしていると、今まで私が見たことのないスツール2脚が目に入りました。「あれ、そのスツール、新しく買ったの?」と聞いてみると、「前から剣持のスタッキング持っていたでしょ。その座面を張り替えたのよ」とミヤマさん。そういえば、確かグレーとエンジのシックなスツールだったような覚えが・・・。剣持のスタッキングスツールといえば、1958年に作られて以来、今なお売れ続けているロングセラー商品。1本の木を曲げた曲木の技法で造られた美しいフォルムです。そして剣持勇といえば、柳宗理、長大作等とジャパニーズ・モダンと呼ばれるデザインの礎を創った日本を代表するデザイナーだから、いいスツールを選んだな、と思い、私もよく覚えていました。

「あのスツールが、子どもの食べこぼしなどでシミが目立つようになってしまって・・。だから3年前くらいに、座面を張り替えたの。子どもが汚してもいいように、撥水コーティングの生地にしたのよ」。さすがスタイリストさん。生地も考えて、選んでいると感心、感心。生地はフィンランド製で“スタジオヒッラ”のもの。「明るい色にしたかったし、私は幾何学模様が好きなので、この2種類を選びました」。ミヤマさんは渋谷の西武百貨店に入っていた、“ルネ・デュー”というお店で買ったそうですが、その後クローズ。「ヒッラの生地は、今は、楽天などのネットショッピングで買えるんではないかしら」(ミヤマさん)

 「とっても簡単に張り替えたの。前の座面の生地をはがさないで、その上から新しい布を被せて、ガンタッカーをバンバン打って、留めただけ。ただ、コーナーがアールになっているので、ひだを寄せてアールがきれいにでるように、そこだけ気をつけました。でも1脚
15分くらいでできたかな」。イヤイヤ、なかなかの仕上がりです。撥水加工の座面なので、
汚れても拭けはOK。おしゃれなうえ、気軽に使えるスツールになったそう。“こんな北欧風のスツールになって、剣持さんがみたら驚くかも”と二人で笑いころげました。「このタッカーは20年も使っているもの。最近は電動のものもあるから、椅子の張り替えも簡単にできるのはないかしら」とミヤマさん。

 座面を張り替えるだけで、椅子だけなく、お部屋のイメージも変わります。ちょっとお邪魔して、ためになるDIYのノウハウを教えてもらって、得した気分になりました。お手軽にインテリアを変えたいと思っている方、ぜひ、トライしてみてはいかがでしょう?
2021.02.25

NHKドラマ「ハルカの光」第3話は
イサム・ノグチの「AKARI」が主役。
岐阜提灯との出会いから生まれました

今回はどんな名作照明が紹介されるのかしら?と楽しみに見入った「ハルカの光」の第3話(2月22日、19:25~19:50、NHK Eテレで放映)。今回、店を訪ねてきたのはひとりのボクサーでした。たくましい身体と強そうなオーラに、ハルカもボーとしてしまったかに見えました。照明にはそんなに興味がない、というボクサーですが、集中できないときはロウソクの火を見ながら、ひたすら打ち続けると言う。そんなボクサーの目に留まったのは、イサム・ノグチのスタンドタイプの名作照明「AKARI 23N」でした。

 イサム・ノグチは1904年、日本人の父親とアメリカ人の母親の間に生まれた日系アメリカ人。幼少期は日本で過ごし、14歳で単身渡米。学校では彫刻を学びますが、彫刻家にとどまらず、空間デザイン、家具、照明、舞台装置など、さまざまなものを生み出し、チャールズ・イームズやジョージ・ネルソンと同じミッドセンチュリー時代を生きたデザイナー。

 イサム・ノグチが照明をデザインするようになったきっかけは、1951年に岐阜に伝統的産業である岐阜提灯との出会いでした。光を柔らく拡散させる和紙の性質と骨組みになる竹ひごを荒く不規則に張りめぐらすことによって、和紙の縮みやしわをそのまま残し、単なる照明の器具にとどまらず、光の彫刻として成り立たせました。ノグチは自分の作品を「AKARI」と名付けました。「AKARI 」は、光そのものが彫刻であり、影のない彫刻、住空間のなかに手軽に持ち込められる彫刻である、と彼自身語っています。
1951年から製作された「AKARI」シリーズは、彫刻するように発泡スチロールで形を削り出し、いろいろなバリエーションを作り続けました。その数は100作以上と発表されています。今回番組のなかで紹介されたのは、「AKARI N23」という大きめのスタンドライトで、比較的早い時期に作られた作品。4本の細い鉄製ワイヤーの脚が特徴のひとつで、とても軽やかにデザインされています。持ち運びも楽で、フロアスタンド、サイドテーブルランプ、ベッドサイド照明・・・と幅広く使えます。素材を生かしたシンプルなデザインは和室だけでなく、洋風の部屋にも違和感なく溶け込むので、ヨーロッパをはじめ、世界じゅうの家庭や店舗で愛されているのも「AKARI」ならでは。日本のグッドデザイン賞もとったし、ニューヨーク近代美術館にも収蔵されています。

 「AKARI」は今でも、当時と変わらない製法で岐阜提灯の職人によって作られています。また、あくまで素材にこだわる制作姿も、日本の伝統的工芸品の骨頂。「AKARI」のもつ軽やかさ、たおやかさも日本の美意識に基づくもの。日本人の血が流れているイサム・ノグチだからこそ作れた照明だとつくづく感じました。店を訪れたボクサーは「AKARI」のどこにひかれたのでしょう?

 さて第3話は、日本の美しい工芸品を見事に現代に蘇生させた、イサム・ノグチの「AKARI」
でした。3月1日(月)に放映される第4話は、どんな照明が主人公でしょう? 楽しみですね。
2021.02.22

照明専門店を舞台にストーリーが展開する
NHKドラマ「ハルカの光」。
美しい世界の名作照明が堪能できます

2月8日から毎週月曜日、19:25~19:50、NHK Eテレで放送されているドラマ「ハルカの光」は、世界の名作照明が並ぶ照明専門店が舞台。ドラマを楽しみながら、普段はあまり見られない美しい名作照明が堪能できる、インテリア好きにはたまらない、魅力的な番組です。

 黒島結菜さんが扮する主人公・ハルカは名作照明を集めた専門店で、ある光に出会い、
心を奪われ、ここで店番として働くようになります。「1日じゅう、光のことを考えていたい!」。恋愛より照明が大切、そこまで照明にのめり込んだハルカが、照明の魅力をお店を訪れる人々に伝え、悩み多き人々にピッタリの照明を見繕う過程で、人々の人生に次々と「光」がもたらされていきます。と当時に、2011年の東日本大震災を経験し、心に傷を追っていたハルカ自身も数々の出会いを通して、希望の光を見出していく、そんなストーリー。毎回ひとつの照明にスポットライトをあて、その照明の魅力が紹介されています。

 2月8日に放送された第1話は、フィンランドの照明メーカー・アルテックの「A330S
ペンダントゴールデンベル」を中心にしたストーリーが展開されました。「ゴールデンベル」
は20世紀の北欧を代表する建築家、デザイナーのアルヴァ・アアルトが、1937年にヘルシンキ中心街にある老舗レストラン「ラヴィントラ・サヴォイ」のためにデザインした照明。
もちろん、今もこの人気レストランで現役です。1度は廃番になりましたが、2007年にアルテックから復刻されました。
「ゴールデンベル」という名が示すように、鐘のような美しさと滑らかなシルエットが特徴。発売当時から人気が高く、世界的にも評価されていたとか。過度な装飾がないので、どんな空間にも馴染み、幅広いシーンで使えそう。シェード部分の内側は白色で塗装されていて、内部の光が反射される構造に。だから、優しく柔らかい光が広がり、温かみのある空間を演出します。また、縁のスリットから光がもれることで、照明全体が優しい印象に。光を消しても、鐘型のフォルムは際立ち、空間のアクセントとして美しい照明です。発売当時は
真鍮製だけでしたが、復刻にあたり、クローム、ブラック、ホワイトもつくられ、空間や好みに合わせて選べるようになりました。番組のなかでハルカは、広い面積を照らす照明ではないのに、“人が集まる光を放つ”と、その魅力を伝えています。
2月15日に放送された第2話は、打って変わり、かわいいハートの形をしたテーブルランプを中心にストーリーが展開しました。“心からの贈り物”という意味をもつ「One From The Heart」というこのランプを気にいった二人の男性客は結婚記念の買い物、だと言う(ちょっと意味深の結婚なのだが)。この照明のデザイナーは、“光の魔術師”あるいは“光の詩人”の異名をもつ照明デザインの巨匠、ドイツのインゴ・マウラー。マウラーはこれを友人の結婚式へのプレゼントとして考えた出したというから、まさに結婚記念の照明にぴったり。

「One From The Heart」は赤いハートから光が放たれると、上部に付いているハート型ミラーに反射して、優しい光を拡散。天井やフロアにもハートの陰影が映し出される、とてもユニークなデザインなランプです。ハート型ミラーは向きを変えることができ、光の反射をいろいろな角度に変えて楽しむこともできます。そのうえ、タッチでON、OFFが切り替えられるタッチセンサー付き、と機能性もばっちり。まさにマウラーならではの照明です。光をつけなくても、おしゃれなオブジェとして存在感大。きっとお部屋の名脇役として活躍するでしょう。

 さて、第1話は美しいペンダント照明、第2話はユニークなテーブルランプでした。2月22日に放送される第3話では、ハルカはどんな照明を見繕って、紹介してくれるでしょう?
見逃せませんね。
2021.02.15

わが家の屋上ガーデン。
ビオラ、スイートアリッサム、シロタエギク・・・
やっと初春の花の植え込みを終えました。
元気に育ってくれるといいな

わが家の庭は7階の屋上ガーデン。リビング続きにテラコッタのテラスがあり(今はイヌの遊び場)、その先に小さなガーデンが広がります。真ん中に芝生スペースを設けて、東側が花やグリーンを植えるスペース。コンクリートのフェンスはトレリスでカバーし、テラスの上にはパーゴラも作ってあります。

 今年はバタバタして初春に向けての植え込みが大分遅れ、10日前くらいにやっと東南のコーナーに苗を植えました。植えたのは、ビオラを中心に、パンジー、スイートアリッサム、
ノースポール、シロタエギクといった寒い冬でも花が咲いてくれる植物。ビオラは青〜紫系と黄色系を選びました。今はまだ小さいけれど、2月後半くらいから、日差しが春めいてくるに従ってボリュームが出てきて、ふっくらとした楽しいコーナーになるとを願っています。秋にプランターに植え込んだチューリップやムスカリは芽が出てきました。

 この後の計画は、3月中旬〜後半にハーブを植える予定。バジル、イタリアンパセリ、ミント、セージといったお料理に使うハーブを4〜5種類。あとはラベンダーかな? ローズマリーは5〜6年前に植えた株が大きく育ち、プラスする必要はなさそう。お茶にすると美味しいレモングラスも考えています。ハーブはとても強いので、植えてしまえば安心。たいしたお手入れもしなくても、元気に育ちます。本当に強い!!

 そして、4月初旬〜中旬に春〜初夏にかけての花を植えます。まだ、具体的な花は考えていませんが、ペチュニアやロベリア、ナスタチュームなどをベースに。ジキタリス、デルフィニウム、アガバンサス、、ルピナス、エレムルス・・・をアクセントに。この時期はパッと目をひく個性的な花がたくさんでるので花選びも楽しいですね。そうそうゼラニウムも忘れられません。花摘みをおこたらなければ、次々に蕾をつけてくれます。

 リーフプランツもガーデンづくりの大切な要素。毎年、植えようと思って植えられない
ギボウシを今年はぜひ、植えたいと思っています。シルバーリーフも取り入れて、単調にならないように工夫しなければ。

 ゴールデンウィークごろになると、フェンスいっぱいに白いジャスミンの花が咲き広がり、わが家のガーデンに活気づいてきます。リビングにまでいい香りが漂ってきて、とても幸せを感じるとき。イヌのキアラ(キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル)も何となくうれしそう。そして、ジャスミンを追うように、テラスまわりには、1cmにもみたないバコパの白い花がぽつりぽつりと咲いてきます。

 これから順次、ガーデンの様子をお知らせしますね。たくさんお花が咲いて、楽しいお庭の様子をご紹介できたら、と願っています。
2021.02.08

IKEAで見つけた便利もの。
フルーツや野菜の保存カバー。
繰り返し使え、ごみ節減でエコライフにも一役

2000年6月に原宿駅前にオープンしたIKEA(イケア)で、昨年末、便利ものを見つけま
した。その名は「OVERMATT」(オーヴエルマット)。シリコン製のフードカバー3点セットで、価格は499円。

私は毎朝、果物を3種類くらい食べます。今の時期なら、リンゴとオレンジ類とイチゴなど。リンゴとオレンジ類は1日半分ずつ。切った面は、いちばん小さなサイズのラップでカバーをして、次の日まで冷蔵庫に入れておきました。

「OVERMATT」はそんなに深く考えないで何となくかったのですが、いちばん大きいターコイズブルーのカバー(直径12,4cm)はリンゴにピッタリのサイズ。直径9,5cmのピンクのカバーはオレンジにちょうどいい大きさ、ということを発見。リンゴやオレンジなどのカット面にかぶせて保存するようになりました。中身の鮮度をしっかりキープしてくれます。いちばん小さい透明のカバー(直径6,2cm)は、レモンによく使います。サラダなどにレモンを添えても、1個は使いきれないことってよくありますよね。そういうとき、ラップではなく、この透明のカバーをかぶせて冷蔵庫に保存しています。

初めの2〜3週間はフルーツばかりに使っていたのですが、あるとき“野菜にも使える”と思いたち、使いかけの大根にピンクのカバーをかぶせてみたら、ピッタリ。このサイズは長芋にもよく使っています。透明の小さいカバーは半分残っていたニンジンにちょうどいいサイズ。大きなブルーのカバーは大きいめの玉ねぎや紫玉ねぎを半分残ったときに重宝。

こうしてフルーツだけでなく、野菜にも使うようになったら、もう1セット欲しくなって、
先日原宿に行ったとき、1セット買い足しました。今、思うと“もう1セット買っておけば、よかったな”と。きっと近々また買う、と思います。

 とにかく、野菜やフルーツのカット面に、カバーをビョ〜ンと伸ばして、かぶせ、ピタッと密着すればいいので楽。いちいちラップを切って、かぶせる手間が省けます。しかも洗って繰り返し使えるので、小さいサイズのラップはほとんど使わなくなり、ゴミの削減にも貢献することになりました。私はまだこういう使いかたはしていませんが、飲みかけの飲み物や食材が入ったコップや瓶ものフタ代わりにもなるようです。

 何気なく購入したモノですが、今では毎日の生活に欠かせないわが家の大切な便利ものになりました。ワンコインで買えますし、ゴミ節減にもなります。ぜひ、1度使ってみてください。特に私のように小人数の家族で、野菜や果物を1回で使いきれないお宅にはおすすめです。
2021.02.01

簡単にできて、おしゃれなクラッキングペイント。
乾くとき縮む、液状のりの性質を利用したテク。
ペイントした茶箱は20年たった今も現役

もう、20 年以上も前のこと。友人に紹介してもらったイギリス人のアーティスト、ヘーゼル・ミューア・ルプトンさんにとても簡単で、しかも、すごくステキに仕上がるペイント方法を教えてもらいました。

 「クラッキング」という、いわゆる「ひび割れ模様」に仕上がるペイントなのですが、
なんと、水性ののり(街の文房具店で売っている液状のりならなんでも大丈夫)が乾くとき縮むのりの性質を利用したテクニックなのです。ペイントは油性と水性の2色を使います。まず、プロセスをご紹介。驚くほどシンプルです。

① まず、油性のペンキでベースを塗ります。このペンキがひび割れの下から見える色になります。ハケで同じ方向に塗るときれい。油性のペンキは乾きが遅いので、1日は十分に乾燥させます。
② ベースのペンキが乾いたら、のりをハケでたっぷりと塗っていきます。ペイントと同じように同じ方向に塗ります。塗り終わったら、のりが半乾きの状態になるまで待ちます。
③ 指でさわって、指にのりがつくかつかないかの状態になったら、水性ペンキを塗ります。
ハケは同じ方向に動かし、手早く塗ります。しばらくすると、少しずつひび割れてきます。自然乾燥でOK。急ぐなら、ドライヤーを使ってもいいですが、そのときは必ず、
30cmは離してかけます。
④ 最後にニスを塗れば、表面がはげたりしないで長持ちします。


ねえ、すごく簡単でしょ。しかも、ペイントは塗る前の下地処理が大変なことが多いの
ですが、クラッキングは古びた味が持ち味だから、下地処理はほとんど必要なし。汚れをとる程度でOKです。

 私は考えた末、押入れで収納に使っていた茶箱を、このペイント技法で変身させてみることにしました。「色づかいは、白&黒とか、赤&黒とか、コントラストの強い色の組み合わせがおすすめよ」とヘーゼルさん。なるほど、私は赤をベースの色にして、黒と合わせてみることにしました。

ペイントはみるみる変わるから、とても楽しく、ストレス解消にも。赤い油性ペンキを塗ったら1日風通しのいいところで乾かしました。次の日、赤いペンキが完全に乾いていることを確認したら、水性ののりをしっかりと塗っていきます。茶箱ひとつに、よく売っている50ccのヤマトのりを10本使いました。20~30分待って半乾きになったら、黒い水性ペンキを上塗り。しばらくすると、本当に黒いペンキがひび割れてきて、ベースの赤が見えてきました。「本当にひび割れてきた!」。なかなかオモシロイ! 古い茶箱が、おしゃれな家具にどんどん変身していきます。黒を厚く塗ると大きなひび割れに、薄いところは小さなひび割れになることもわかりました。全部が終わったときは、感激して、満足感いっぱい。

見違えるように変身した茶箱。和風モダンの趣のある家具になりました。押入れにしまい込むのはもったいない。私はソファの前に置いて、リビングテーブルとして使うことにしました。もちろん中は、収納として使うことができます。こうして7〜8年使ったでしょうか。
その後は、ベッド脇において、サイドテーブルとして活用していました。約20年たった今は、和室のコーナーに置いて、収納兼コーナーテーブルとして活躍しています。最後にニスも塗ったので、ひび割れ模様がはげたりもしていません。

 その後、キッチンにあった木のトレイを黄色をベースに、エメラルドグリーンを組み合わせて、このクラッキングペイントをしてみました。キッチングッズにふさわしいさわやかな出来上がりになって気に入り、しばらく使っていました。そのトレイは友人のキッチンで今でも現役です。

 今は、DIYショップで、ベースコートと上塗りがセットになったクラッキング模様ができる塗料も売っていますが、いいお値段がします。液体のりを使ったこのクラッキングペイントは私のつたないDIY経験のなかでも、とっても思い出深くておすすめ技法。しかも20以上たった今でも使っているのですから、まさに実用的。DIYやペイントに興味がある方は、ぜひ試してみてください。
2021.01.25

著名建築家が設計した「Bird Kettle」。
お湯が沸騰すると、注ぎ口の小鳥が鳴きます

昨年の12月中旬ごろ、キッチンのガス台を掃除していたら、やかんがずいぶん汚くなったのが気になり、新年に新しいものに変えたいと、ふと思いました。そのとき使っていたのは、ステンレスのシンプルなやかん。お手入れはラクだけど、ずいぶん焦げついてきました。
やかん、というと私が忘れられないのが、この前に使っていた、ALESSI(アレッシー)社の
「Bird Kettle(バードケトル)」。20年以上前ににミラノに行ったとき、ALESSI ショップで一目惚れして、日本まで抱えて持ってきました。

 バランスのとれた美しい円錐形で、ケトルの口元に小鳥のホイッスルが付いているのが特徴で、お湯が沸騰すると小鳥(ホイッスル)が鳴き、知らせてくれます。私はキッチングッズや雑貨などを買うとき、なるべくつくった人、デザインをした人の顔がわかるものを
選ぶようにしています。この「Bird Kettle」をデザインしたアメリカ合衆国の建築家、マイケル・グレイヴスなら、私も知っていました。

  グレイヴスは、1934年インディアナ州インディアナ生まれ。ハーバート大学で修士号を取得。ポストモダン建築を代表する建築家のひとりで、20世紀後半の建築に大きな影響を与えました。1960年代半ばから20世紀の終わりまで、もっとも多作で著名なアメリカ建築家のひとりだったと言えると思います。オレゴン州ポートランドのダウンタウンにある15階建ての市庁舎「ポートランド・ビル」はグレイヴスの代表作でしょう。「カスミつくばセンター」「ファミール月島グランスイートタワー」など、日本でも8つの建築物を残しています。

グレイヴスは、建築に加えて、消費者向け商品のプロダクトデザイナーでもありました。1980年代初頭、グレイブスはポストモダンデザイングループ「メンフィス」のメンバーになりました。そして、イタリアの高級キッチン用品メーカー「ALESSI」と提携。1982年
ALESSIのスターリングシルバー・ティーサービス・セットを設計&デザイン。25,000ドルという高額にもかかわらず、大成功。たくさん売れました。当時の社長、アルベルト・アレッシーは、今度は手頃な値段のケトルを設計するように依頼します。そして完成したのが1985年の発売以来、世界じゅうで愛され、ALESSIの人気モデルとなった「Bird Kettle(バードケトル)9093」。ポストモダン建築家のグレイヴスらしい、遊び心たっぷりのケトルは、発売から35年以上経った今も、ショーウィンドウに並ぶロングセラーとなっています。

 私が最初に買ったBard Kettleはやかんの注ぎ口に、赤い鳥の形の笛を備え、ハンドルにはブルーのグリップが付いていました。これがBard kettleの原型です。現在は注ぎ口の鳥やグリップ部分が白や黒のものも。私は今回は、鳥やグリップが白のものを選びました。大掃除したガス台に、白の小鳥がたたずむBard Kettleを置いてみると、美しい円錐形のボディとかわいい白い鳥が強調され、まさにキッチンの楽しいアクセントに。大満足です。

 もちろん機能性も兼ね備えています。底面が広いので、お湯が沸くのが早いし、固定式のハンドルは安定感があり、グリップ部分は持ちやすい角度でお湯が注ぎやすい。IHにも対応しています。やかんがピカピカになったら、今度はお鍋が汚く見え、お鍋も変えたくなりました。2021年の元旦から使い始めた2代目のBird Kettle。大切に使っていきます。
2020.12.25

来年は地の時代から風の時代に、240年ぶりに大きく変わる年。
自分がどんな人生を生きたいか、真剣に考えてみましょう

先日、友人で西洋占星術研究家の隆速治沙さんにお会いし、「来年、よい年にするためにはどうすればいいか?」について、興味深いお話を聞いてきましたので、ご紹介します。

今年の12月22日に木星と土星が同じ位置で重なる現象(グレート・コンジャンクション)がおこったのはご存知ですか? 私も西の空で見ることができました。この現象は約20年に1度しか起きないもので、しかも、これまで約240年間、グレート・コンジャンクションは、地の星座(牡牛座、乙女座、山羊座)で起こっていたそう。それが、今回は風の星座である水瓶座で土星と木星が出会ったそうです。つまり、世界は約240年間、地の時代を歩んできましたが、2020年のグレート・コンジャンクションによって、風の時代に移行するのです。

「地の時代から風の時代へ変わるわけですから、社会を大きく変えるとともに、個人の意識にも影響を与えます。私たちひとりひとり、未来の発展のために不要なものを手放しつつ、過去に積み上げてきたものを新しいステージで生かす取り組みを始めなくてはなりません。そのためには、自分が今後どんな人生を送るのか? 改めて考えてみることが大切ね」と隆速さんはアドバイスをしてくれました。

さらに、隆速さんは「テーマを決めて生きることが大切」「クリエイティブに生きましょう」
そして「自分にしかできない生き方をするのが、風の時代のすてきな生き方」と言います。

そんなことを言われたって、すぐには答えはでないけれど、来年に向かって、これからじっくり考えてみようと、思いました。そして、ストレスなく、幸せ感を感じて毎日生きていけたらいいな。今年がコロナ禍でとんでもない年だったから、特にそう思うのかもしれません。

日常の生活のなかでは、笑顔で人と接することが大切だそう。笑顔をつくると、脳が幸せホルモンを出して、波動が上がり、自分の健康にもいいそうです。また、朝、リビングに光と風を入れることも開運につながります。東南の方向に花瓶に花を生けて飾ったり、グリーンの鉢をおくこともラッキーポイント。朝8時〜10時の間に、外に出て光を浴びること
も効果的だそう。

そして、私がとても印象に残ったアドバイスは「人を幸せにしたり、誰かを親切にすると、いちばん癒されて、いい気分になるのは自分なのよ」ということ。確かにそうだと納得しました。来年は、笑顔を磨いて、人と笑顔で接し、人に優しくする、まず、これから始めようかと、隆速さんと別れ、乗った電車のなかで密かに決心しました。
2020.12.22

サンタクロースはきっといる!
だから夢をかなえてくれるのです

来年にはもう30歳にもなろうかという、私の甥っ子も、クリスマス大好き。小さい頃は、12月になると、欲しいものを詳しく手紙に書き、フィンランドのサンタクロースに送り、イブの夜に届けてもらうのを首を長くして、待っていました。そんな甥が、ある日、私に聞きました?「サンタクロースって、本当にいるの?」

私は、1冊の小さな絵本を、「これを読んでごらん」と彼に渡しました。その絵本とは、まさに『サンタクロースっているのでしょうか』(偕成社)。子どもの素朴な質問にこたえ、目に見えないもの、心の大切さを語りかけた約100年前のアメリカの社説を絵本にしたものです。

「サンタクロースっているんでしょうか?」―この素朴な質問を約100年前、新聞社に投書した少女がいました。名前はバージニア・オハンロン。この投書を受け取ったニューヨークのサン新聞社では、社説で味わい深く答えました。書いたのはベテラン記者のフランシス・P・チャーチ。

きしゃさま
あたしは八つです。あたしの友だちに「サンタクロースなんていないんだ」っていっている子がいます。パパにきいてみたら、「サンしんぶんに、といあわせてごらん。しんぶんしゃで、サンタクロースがいるというなら、そりゃもう、たしかにいるんだろうよ。」と、いいました。
ですから、おねがいです。おしえてください。サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?
バージニア・オハンロンサン新聞の社説
バージニア、お答えします。サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友だちはまちがっています。

―そう、バージニア、サンタクロースはいるのです。サンタクロースがいる、というのは、この世のなかに愛や、優しさや、思いやりがあるのと同じくらい、たしかなものです。
もし、サンタクロースがいなかったらとしたら、この世はどんなにつまらないことでしょう!

サンタクロースがいなかったら、すなおに信じる心も、詩も、夢のような物語もなく、人生はちっとも楽しくないでしょう。わたしたちが、喜びを感じるのも、目でさわったり、聞いたりできるものだけになってしまいます。

ー目に見えない世界は、1枚のカーテンでおおわれていて、どんな力持ちも、力持ちが何十人集まっても、そのカーテンを、引きさくことはできません。そのカーテンを開けることができるのは、信じる心、想像力、詩、愛、夢見る気持ちだけなのです。
そういう心があれば、カーテンのむこうにひろがる、美しく、きらきら輝かしい世界をみることができるのです。

そんな世界は幻ではないかって?バージニア、カーテンのむこうのそんな世界こそが、本当であり永遠なのです。

―うれしいことに、サンタクロースはちゃんといるし、これからもずっと生きつづけることでしょう。今から1千年たっても、いえ、その百倍の月日が流れても、サンタクロースは子どもたちの心の喜びとして、ずっとずっと、生きつづけることでしょう。(サン新聞社説の抜粋)

この絵本を読んでから、甥っ子は、「サンタクロースっているの?」と聞かなくなりました。きっと彼のなかで、サンタクロースとはどういう人が理解できたのでしょう。
私も歳とともににぶってくる、想像力、信頼とロマンスを大切に生きたい、とクリスマスを迎える度に思います。もし、あなたがお子さんに「サンタクロース」っているの?ときかれたら、なんと答えますか?
2020.12.21

コロナ禍でもサンタクロースは
クリスマスプレゼントを届けてくれる

日本国内だけでなく、世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないなか、今年のクリスマスはサンタクロースがプレゼントを届けてくれるのだろうか? と心配しているお子さんも多いことでしょう。

12月14日の会見で、WHO(世界保健機関)が、「サンタクロースは新型コロナウイルスの免疫をもっています」というメッセージを発表しました。つまり、ウイルスの免疫をもっているから新型コロナには感染しない、ということ。サンタクロースは今年も元気でプレゼントを運んでくれるから、安心してください。

私も今でもクリスマスになると、自然に心がうきうきしてきますが、子どものころは、それはそれは、待ちどうしい日々でした。いちばんの楽しみはなんといってもサンタクロースからのプレゼント。そのなかでも、最も心に残っているのは、小学生の低学年のころでしょうか?前の年に飼って犬が亡くなってしまったので、子犬をお願いしました。それも耳が長い犬を。次の日の朝、ベッドへッドにかけた大きな靴下のなかには、子犬がいませんでしたが、お手紙が。「今はまだ、お母さんのお腹のなかにいるから、春頃に届けますよ」。

待ちわびていると、次の年の暖かくなるころ、かわいい、かわいいアメリカンコッカスパニエルの子犬が、わが家にやってきました。「サンタさん、ありがとう。大切に育てます」。
それから15年間、うちの大切な家族でした。今でも、忘れません。

さあ、皆さん、もうサンタクロースにお手紙は書きましたか? いろいろな辛いことがあった今年ですが、クリスマスには、いつものように、サンタクロースがお願いしたものを届けてくれますよ。